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pen labo blog 過去の If と 未来の If

 私は趣味で小説をジャンル問わずよく読むのですが、近年Science Fiction(SF)の作家が幅広く活躍しているようです。空前のSFブーム、SFの黄金時代と言われるほどSF小説の人気が上がっているのみならず、SF作家が新聞や雑誌の紙面上で様々な発言をしたり、人工知能学会の倫理委員会に名を連ねたりと、作家業以外でも引っ張り凧のようです。現実がSFの想像力に追い付いてきたと言われる時代ならではの現象でしょう。


 SFでよく用いられる設定のひとつに、ヒストリカル・イフ(Historical If)というものがあります。これは、歴史上のある一点を史実とは異なる(しかし十分にあり得る)設定にした場合に、一体どれだけ未来の様相が異なっていたのかということを思考実験するものです。星新一、筒井康隆と並んで日本SF界のパイオニアと呼ばれる小松左京は、主に戦争をテーマに、この思考実験をしばしば行いました。何かがほんの少し違っただけで、今とは全く異なる世界が訪れていたかもしれない、無数の選択/偶然の積み重ねの結果として、奇跡的に今の世界があるのだということが、よく分かります。歴史をそのように相対化してみることで、現在の在り方や正しさというものを絶対視しなくなるのです。


 改めて意識してみると、If(もし)という言葉には、ものすごい力があるように思います。Ifという言葉を過去に向けて使うだけであれば、その先に広がる可能性は結局のところ単なる空想で終わってしまいますが(もちろんその空想によって得られる視座が大切なのだということは上に述べた通りですが)、それを未来に向けて使うとすればどうでしょう。その先に想定される出来事は、現実のものにできるかもしれないのです。試しに、“もしこの秋に◯◯をしたら”と想像してみてください。未来のIfの前には、単なる空想ではなく、現実の可能性が広がっています。Ifは私たちの原動力になり得る言葉です。皆さんそれぞれにとって魅力的なIfを探してみてください。そのIfを現実のものとするために、私に力になれることがあれば嬉しく思います。

 
 
 

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